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2018年5月

2018年5月 1日 (火)

岩野氏(第10期)、平成29年秋季叙勲で瑞宝章受賞

〇岩野一郎氏(第10期)は平成29年秋の叙勲で「瑞宝中綬章」を受賞されました(教育研究功労)。おめでとうございます。

 (参考)内閣府 「平成29年秋の叙勲 叙勲受章者名簿」で瑞宝章「中綬章受章者」の名簿(pdf)で3頁目のトップに掲載されております。

    http://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/29aki/meibo_jokun.html

(アメリカ科同窓会事務局)

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第22回同窓会ゴルフコンペ ~優勝は蓑原氏

 第22回同窓会ゴルフコンペは2017年10月27日(金)、泉CCで開催されました。台風の合間(?) 絶好のゴルフ日和を大いにエンジョイして頂いたと思います。 お疲れさまでした。

成績と表彰は以下の通り。

次回の日時 /場所は平成30年5月18日(金)@泉CCです。     (幹事/河村)
(敬称略)

順位 氏名(期) (W) (S) グロス HDCP NET 調整 最 終 調整 次回
優勝 蓑原(6) 58 56 114 33.6 80.4 - 5 75.4 5 0
準優勝 河村(13) 50 46 96 19.2 76.8 2 78.8 3 5
3位 高橋(6) 57 51 108 30.0 78.0 2 80.0 1 3
4位 一澤(11) 47 44 91 13.2 77.8 3 80.8 3
5位 大山(20) 57 54 111 30.0 81.0 0 81.0
6位 藤井(10) 55 50 105 25.2 79.8 3 82.8 -1 2
7位 小松(2) 68 58 126 36.0 90.0 -5 85.0 -3 -8
8位 久保田(10) 58 55 113 30.0 83.0 5 88.0 -5 0
部門別ベストグロス: Gシニア:高橋 シニア: 一澤 ジュニア:河村
ニアピン:一澤、高橋

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2018/3/2(金) 第8回 周年幹事会

周年幹事と役員
(周年幹事と役員)
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 2017年度の周年幹事会(以下「幹事会」)は3月2日学士会館で開催されました。(19時~21時)
 幹事会は周年幹事制度(下記注)の円滑な実施のため、年1回開催され、 同窓会役員も参加して交流を図っています。
 今回は1桁目が6の幹事と1の幹事がそれぞれ十と五の周年対象で、 経験の踏襲のため、前年の周年幹事もお呼びしています。

 1. 会長挨拶
 久保田会長から、同窓会HPにアメリカ科勉学と現在をテーマに各期から 沢山の寄稿を頂き掲載し後学に残す事業(今期は11-22期に依頼)への寄稿のHP掲載の件で正副幹事の協力への感謝と、 幹事を中心にした各期の横の繋がりが中核となり同窓会の縦の繋がりが更に 活かされる重要な役割を担って活動して頂いている事への謝辞があった。
 また在海外や所用で若年の周年幹事を欠いた点を残念としながら、昨年と同じく、 仕事に差し支えないよう今年も総会を土曜15時半開催としたので、 周年幹事の方は全体交流の場として、同期・同窓を誘い合わせて参加して欲しいとの話があった。

 2. 同窓会現況説明と5月定例総会の案内
 宮本総務部長から、配布資料を基に、①幹事会欠席者からの近況メッセージ紹介、 ②同窓会の運営・活動状況の説明、③同期の方への5月定例総会出席の勧誘依頼、 ④総会に低参加の世代(特に若年)への参加勧誘策への意見依頼、等がなされた。

 3. 自由討議
 今回は11期正幹事の一澤氏(55周年)、6期正幹事の高橋氏(60周年)に、毎年の同期会等の情報のみでなく、 今回幹事会参加を機に同期の皆さんにヒアリングしてもらい近況やご意見を発表して頂いた。
 また、欠席した幹事(若年が多い)の近況やメッセージに海外赴任や業務多忙で同期と十分な繋がりを 取れていないとの実情の吐露が多い点を課題として、前年の周年幹事や役員も自らの期の同期生や 前後の期との繋がりや同期・同窓会の経験を話し合われた。
 同窓会入会者・総会出席者の増加策、住所不明者の解消、および同窓会活性化の見地から

  •  昨年の周年対象の幹事からは周年を意識した同窓会開催等の紹介があった。
  • 「期」のまとまりや同期会の継続開催は同期生の個性や主任教授との結びつき、転勤や世話役の有無などが影響し、「期」毎に大きく異なる点が昨年同様確認された。
  •  欠席者から留年とかで1-2年前後の同窓との交流のほうが深いとの話が寄せられ、「周年」も何らかの対応(幅)を検討してはとの話があった。
    (2018年10月20日(土)開催の東大ホームカミングデイ/周年学年会は卒業年・入学年を明示)
  •  新卒の方に正副幹事を必ず決めてもらい登録中だが、当面の同期の繋がりのみならず、前後の期や縦に繋がり交流の可能性を大きく広げる事が出来る意義を伝えて行きたい、等。

 4.閉会挨拶
 久保田会長から、冒頭の同窓会HPに掲載中のアメリカ科勉学と現在に関する寄稿で協力頂いていることに 再度感謝が述べられ、このようなツールも活かし、5月の総会に周年幹事が中心になって同期の方に加え、 関係ある上下の同窓の方にも総会に出席して頂くよう、こまめに声をかけて頂きたいとの話があって、 議事を終了した。(総務部)

(注) 周年幹事制度は2009年4月幹事会(紙上開催)決議で導入され、以下の内容です。
  1. 1) 当同窓会の周年幹事は、卒業50、40、30、20、10周年の会員とする。
  2. 2) 周年幹事は、総会や、同窓会ゴルフ会などの行事に、積極的に参加して頂く。
  3. 3) 総会後の懇親会の席上で、出席の周年幹事は自己紹介を行い、同期会の活動や仲間の近況などを披露する。
  4. 4) 各周年幹事の代表は、同窓会業務部が主宰する講演会、懇親会等の行事について協力する。
  5. 5) 必要に応じて、各周年幹事の代表と同窓会関係部(業務部、総務部、ゴルフ委員会)との打合せ会を開催する。

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(2018年3月)2017年度最優秀卒論賞を授与

 同窓会では2010年定例総会の決定に基づき、卒業を迎える在学生に 毎年「奨学金」(「最優秀卒論賞」)を授与しており、2017年度(第8回目)も 授与させて頂きました。
この「奨学金」の制度が今後も在学生の皆さんの励みとなってくれることを願っています。

(第66期 新卒業生の皆さん)
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卒業論文審査について 橋川健竜(教養学部准教授)

 アメリカ科では英語による卒業論文は必修であり、また学生にとっては駒場での勉学の集大成でもあります。 今年の卒業論文提出者は7名で、1月末に教員、4年生および下級生が参加して、口述審査会が行われました。 今年は特に優秀な論文2本に最優秀卒論賞を授与することになり、 同窓会のご厚意により 昨年に引き続いて奨学金も授与することができました。 卒業生の皆様のご配慮に、改めて感謝申し上げます。
 以下は最優秀卒論賞を受賞したベロワ、ニーナさんと太田夕陽さんによるお礼の言葉と論文要旨です。
Belova, Nina(ベロワ、ニーナ)
 この度は、最優秀卒業論文賞をいただき、誠にありがとうございます。 アメリカ科同窓会の皆様、そして難しいテーマで論文を書くことを許してくださり、 また時間を割いて丁寧に指導してくださった先生方に心より御礼申し上げます。 このような栄誉ある賞をいただけたことを大変光栄に思います。
American Counter Culture: A Comparative Study between Transcendentalism and the Hippie Movement
(アメリカの対抗文化 ー超越主義思想とヒッピー運動の比較研究ー)

 この論文の主題は、19世紀前半に開花したアメリカ独自の思想「超越主義」と、 1960年代に若者の間で広まったヒッピー運動の思想を比較することである。 この比較研究を通してアメリカの文化や思想の流れを「カウンターカルチャー」という大きな枠組みで捉え、 再検討しようと試みたものである。

 超越主義(Transcendentalism)は19世紀前半にラルフ・ワルド・エマソンやヘンリー・デビッド・ソローを 中心とした知識人たちによって生み出された思想体系であり、しばしばアメリカ初の思想的潮流と評される。 「自己」と「自然」に重きを置く超越主義は、「神」の意思は各個人の内に直接現れるとし、 個々人が外部からの介入を受けずにその声に従うことを賞賛した。この思想の政治的含意は特に時代を超えて受け継がれ、 現在でもアメリカの思想史の大きな一部を占めている。

 一方、ヒッピー運動は1960年代のアメリカで若者の間で、当時アメリカを席巻していた資本主義や冷戦 ーそして究極には主要な文化や生活のあり方全てー に対抗する形で広まったものである。 知能ではなく感覚を、競争ではなく一体化を重んじ、既存の社会から離れて新しい生き方を探ったヒッピーたちは 一般的な社会に対抗する「カウンターカルチャー」を築き上げた。

 超越主義者とヒッピーは、一見共通点を持たないように見える。実際、二者を並べて比較した研究はほとんどない。 しかし両者を「カウンターカルチャー」として見ると、多くの共通点が浮かび上がる。例えば、 両者共に既存の社会から自らを孤立させ、自己の内なる声に耳を傾けてより善い生き方を探ろうとしたこと。その過程で、 実験的な集団生活(コミューン)に挑戦し、社会で当たり前とされる価値観に疑問を抱いたこと。 政治の動向に大きな関心を持ちながらも、問題の根源である政治のシステムそのものを批判したこと。 理性主義によって見過ごされる感覚や感情を重要視したこと。そして自然を精神の成長にとって欠かせないものとして扱ったこと。 このような思想の共通性は、超越主義者のエッセイとヒッピーの記した地下新聞の記事を比較すると鮮やかに浮かび上がる。

 さらに超越主義とヒッピー運動は、思想においてだけでなく性質的にも似通っている。両者共に反知性的であり、 そして定義においてカウンターカルチャーである。反知性主義とカウンターカルチャーは、アメリカ研究においては 一般的に広まった概念であるが、思想史や文化史を鳥瞰的に研究するための大きな枠組みとしては使われることは少ない。 この論文は超越主義とヒッピー運動を例にとって比較することで、反知性主義やカウンターカルチャーといった概念を より広い意味で用いた新しいアメリカ思想史の見方を提案する。
太田 夕陽(おおた ゆうひ)
 この度は最優秀論文賞という栄誉ある賞を頂き、誠にありがとうございます。 アメリカ科同窓生の皆様に心より御礼申し上げます。今後は駒場の大学院において研究を継続しますが、 このような賞をいただけたことを自信に、より一層勉学に励みたいと思います。
Jackie Robinson and Integration in America: A Black Pioneer’s Struggle and Philosophy
(ジャッキー・ロビンソンとアメリカにおける人種統合:黒人パイオニアの苦闘と行動哲学)

 ジャッキー・ロビンソンは黒人初のメジャーリーガーであり、アメリカ史における偉人の一人とされる。 本論文ではロビンソンの人生、特に現役時代に注目し、彼を黒人史、並びに黒人思想史に文脈づけることを目的とする。 その過程で彼独自の行動哲学、およびそれを持つに至った要因について考察する。

 これまでのロビンソン研究は、伝記的なもの、すなわち逸話や優れた人格ばかりに注目し、 英雄的な側面に重きを置いた単純なものが多く、心理的な側面や黒人史における重要性にまで十分に言及できていなかった。 これはスポーツ史研究の伝統とも共通する傾向である。そこで本論文ではロビンソンをただのヒーローではなく一人の黒人として捉え、 そのような従来の研究の問題点を埋め合わせようと試みている。

 本論文は3章から構成される。
第1章では黒人史、および野球史を概観することで、人種隔離という強固で邪悪な人種差別構造がアメリカでどのように発展したのか、 そしてどれほどの苦難や重圧がロビンソンを待ち受けていたのかを明らかにする。同時に、著名な5人の黒人思想家の主張を取り上げ、 それらをカラー・ブラインド的態度でアメリカの現状・未来を楽観視した妥協主義と、黒人性を重視した闘争的な態度でアメリカに疑問を投げかけた対立主義という二つの立場に分類する。
第2章ではロビンソンの人生を幼少期から現役引退まで取り上げ、野球界での人種統合の進展や彼の性格や哲学を象徴する出来事を重点的に抽出する。
第3章では第2章で扱ったロビンソンの行動や態度を再び取り上げ、第1章で定義した妥協主義と対立主義という枠組みの中で分析する。 そして、一見対立していて両立が難しいこの二つの立場をロビンソンはうまく調和させたと主張する。 それを可能にした要因として、アスリートという比較的制約の少ない立場、白人の同僚との間に築いた、アメリカの未来に希望を与えるような良好な関係、 柔軟な選択・意思決定を可能にした彼自身の自由や平等への強い信念、の3つを指摘する。

 以上の主張を要約すると、ロビンソンは柔軟で実利的な行動哲学ゆえに、妥協主義と対立主義という黒人史における従来の二項対立的な枠組みに囚われない、  独特な立場に位置づけられると結論づけられる。野球界における人種統合が彼の現役時代に完成しなかったことが示すように、ロビンソンにも限界は存在した。  しかし、彼が生涯を通して体現した行動哲学は、彼の果たせなかった人種統合という夢を引き継いだ次の世代に新しい方向性・可能性を示したのである。

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